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”異郷で聴いた唱歌”(6月17日)
”異郷で聴いた唱歌”(6月17日)

文芸批評家の新保祐司氏の紀行文”ベネツイアゆかば”より~ベネツイアのサン・マルコ広場近くのサン・モイゼ教会で”日本のための慈善コンサート”が開かれた。5月2日のことであった。バッハ、ヘンデル、ビバルデイそしてフォーレの宗教曲のあと、日本の唱歌が歌われたという。「故郷」「春の小川」「朧月夜」「鯉のぼり」「茶摘」「夏は来ぬ」「われは海の子」「もみじ」「冬景色」「雪」、以上10曲の一番がメドレーで歌われ、「故郷」の2番で締めくくられたという。薄暗い教会の中で向こうの宗教曲が歌われたあと、第二部として祖国日本の唱歌が用意されていたのだ。音楽をイタリアで勉強していると思われる日本人女性が歌っていたとのことであるが、彼の地で同胞の人と会うのも小さな驚きと安堵を覚えるものであるが、思いがけなく「故郷」が聞こえてきたときには、暗闇の中にほのかな光が射してきたような印象ではなかったろうか?新保氏は、”ふと、胸をつかれるようであった”と記している。よくわかる。異国の地で日本の調べを聴くという体験は、胸にジーンとくる感慨があるに違いない。「故郷」の2番の歌詞は、こんな風である。

 ”如何(いか)に在(い)ます父母(ちちはは)
  恙(つつが)なしや 友がき
  雨に風につけても
  思い出(い)ずる 故郷”

戦前の歌詞はほとんどが”やまとことば”である。一音一音に言霊を秘めた”やまとことば”である。あたたかみがあり、自然との一体感が感じられる。とにかくも、遠く離れた異国でも、東日本大震災の犠牲者を悼み、早期復興を願う気持ちが表現されている。そのあたたかい心は目に見えないけれども、きっと伝わるに違いない。新保氏は記す:”異郷で聴く唱歌のメドレーは、宗教曲よりも、ある意味で宗教的であった。また、大作曲家たちの宗教曲に比較しても、日本人の心に訴える点において遜色がないようにも感じられた。唱歌というものは、確かに近代の日本が生んだ文化的傑作といえるだろう。女性歌手の一人は泣いて、指で涙をぬぐいながら歌っていた。震災の犠牲者を思っていたのかもしれないし、この唱歌が表現している美しい日本の風景が失われたことを深く嘆いていたのかも知れない” (6月17日付・産経新聞・国際欄より) ちなみに、新保氏は仙台のご出身である。


  • Posted by 2011年06月17日 (金) | コメントコメント(0

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