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現代美術展2019  at 秋野不矩美術館(3月20日)

浜松市天竜区にある秋野不矩美術館。その2階の市民ギャラリーで昨日始まった「現代美術展」を見に行った。地元浜松で活躍する画家10名の抽象画作品30点余が展示されている。日本画家の栗原幸彦先生も3点出展されていた。日頃自然との一体感の中で作品を描いておられるだけあって、やはり品がある。写真はその中で最も小さい3号くらいの作品である。日本画と同じ岩彩が使われており、艶やかさが引き立ち、命の瑞々しさが魅力となっている。あと、会場入り口に展示されている「無明の人々」というオブジェはそのタイトルが哲学的で気になった。

日本画家・栗原幸彦展 at 箱根(3月15日)

成川美術館からのビュー(芦ノ湖、富士山、箱根神社)

画業45周年を記念しての栗原幸彦先生の個展~季ときの詩うた・命あるものへの讃歌~が今日初日を迎えた。会場は箱根の成川美術館である。この美術館は芦ノ湖南端に面し、晴れた日は富士山が見えるという絶好のロケーションを誇っている。・住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根570番 ・電話:0460-83-6828  ・会期:3月15日(金)~7月10日(水) ・入館料:大人1300円、高・大生600円、小・中生600円、団体(10名以上)1,100円。開館時間:9時~17時 年中無休。

楠田喜代子先生の訃報(7月10日)

楠田喜代子作「収穫」(右側)

昨年11月に小国神社で個展を開かせていただいた墨アートの巨匠・楠田喜代子先生のご家族から封書が届いていた。昨年秋の個展を”白寿記念!と銘打っていたので、もしかしてと思いながら封を切ると、やはりそうだった。先月28日に100才のお誕生日を目前にして帰天しました、としたためられていた。主に海外での個展開催が多く、また画壇にも属していなかったため、日本国内での知名度はごく限られたサークル内のものであった。しかし、その作品がもつ品格の高さは、まさにサムライ・アートのものであった。神道の”闘う精神性”にも通ずる。浜松駅前に石彫家・流政之の”またきたら”という作品があるが、柔和さと同時に鋭利な切れ味を感じさせる、表現手法は異なるものの、創作の衝動、あるいは造形精神は根を同じくしているように見受けられる。世代的にも重なる。そして同時に艶っぽさも感じられた。墨でありながら”彩”を感じさせた。心よりご冥福をお祈りいたします。

戦艦伊勢(6月24日)

上田毅八郎画「戦艦伊勢」 改装前の姿

「上田毅八郎・艦船画集」(平成14年コーエー社刊)の表紙を飾っているのは、戦艦大和ではなく、戦艦伊勢である。日本で最初に建造された戦艦であった、という理由ではないかと推測する。日本海海戦の旗艦であった戦艦三笠は英国に発注したものであったし、大正2年(1913年)に竣工した戦艦金剛が最後の外国製であった。伊勢という艦名は伊勢神宮に因んだものである。

海洋船舶画家・上田毅八郎氏逝く(6月23日)

上田毅八郎画「戦艦伊勢」 大正6年(1917)建造、昭和18年(1943)航空戦艦に改装。イラストは改装後のもの。全長約220m,速力約25ノット。戦艦大和の仕様に準じる。

今月18日に亡くなった由、その訃報には今日の昼過ぎに接したばかりである。氏には十数年前に私の企画で21世紀倶楽部(静岡新聞社主催)の月例会で講演をしていただいたことがある。ご自宅にも数度お邪魔したり、浜松市(アートボックス)や磐田市(アミューズ豊田)、藤枝市(郷土文学館)、そして静岡市(護国神社)での個展で作品を見させていただいた。氏の画才は、尋常小学校に通っていた頃からだろうか、少年雑誌に載った戦艦や飛行機の模写に勤しむことで芽生え、育まれた。家業が筆で描くことを生業とする塗装業であったということも良い環境であったろう。親の背を見て育つ。遠州に因めば、車大工を親に持った河合小市(発明小市と謳われ、河合楽器製作所を創業)や鈴木道雄(織機を改良、スズキを創業)もそうであった。昭和19年、大東亜戦争中最後に(高射砲員として)乗船した輸送船・金華丸が被撃沈、利き腕の右腕に重傷を負うという大試練に見舞われた。昭和17年3月に帝国陸軍のジャワ上陸作戦以来6回の被撃沈に遭遇したが、6回とも生還したという強運の持ち主であったが、戦後は左腕で画業に刻苦勉励、見事に困難を克服した。氏はタミヤのウオーターラインシリーズに数多くの戦艦の絵を提供、その精緻で躍動感あふれる筆致で人気を博した。亨年95歳。戦前の美しい日本のこころを持ち続け自ら人生訓を編み出されもした。謹んでご冥福をお祈りいたします。

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