本日夕刻より、21世紀倶楽部主催の特別講演会が浜松駅前のプレスタワー17階で開催された。講師は、作家でセゾン文化振興財団理事長の辻井喬氏で、演題は「日本人が大切にしなければならないもの」であった。氏は昭和2年(1927年)のお生まれで現在84才、ご親交のあった故・三島由紀夫氏より2才お若い。お話は、やはり今回の東日本大震災に触れるところから始まった。混乱の中でも、東北の被災者の方々が秩序と譲り合い、助け合いの心で行動された;地方に立派な見識の政治家が多くいるのが分かった;阪神淡路大震災にと異なり、被害規模の大きさや原発事故がからんでいることから国際的な影響度が高い;米国中心のグローバリズムは消滅しつつあるが、今回の大震災を機に日本が政治、経済の両面で
米国の従属的位置に最構築される危険性がある;忍耐力や共同体意識の高さ、そして地方自治の台頭が日本の底力と
なる;日本の政党は信頼性を失い、賞味期限が終わっている。次回の選挙では、大阪や名古屋の地方政党が伸びるのではないか;中国は近代国家としては疑問符が付く;日本流の近代というものがあるのではないか?;日本のメデイアは米国のメデイアの支配下にあるなど、広範囲に亘って私見を述べられた。約200人の聴衆が熱心に聞き入っていた。氏が10年前に出版された”わだつみ三部作”を携えていったが、残念ながらサインをいただく機会がなかった。
- POSTED at 2011年06月02日 (木)