- POSTED at 2011年07月20日 (水)
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工芸
ガラスの美(7月20日)
ガラス作品の多くは、グラスや皿など実用的なものであるが、持永貞子のそれは非実用的なものである。ガラスを素材にした彫刻のようなものである。写真の作品は10年ほど前の東京での個展会場で求めた小品であるが、どこか懐かしさを感じさせる建物の造形で、ご飯の”おこげ”のような色が施されている。この建物はドイツのバイロイト祝祭劇場のようでもあるし、また中部イタリアのラベンナという町で見たロマネスク様式の教会のようでもある。作者・持永さんは心の旅を続けていて、今日も異国の空の下で次の造形を頭の中で描いているに違いない。