可睡斎(袋井市久能)のは、油山寺、法多山と並ぶ遠州三山のひとつで、徳川家康公ゆかりの曹洞宗の名刹である。本堂脇の階段を昇ってゆくと、小さなほら穴がある。かつて家康公はここに逃げ込んで武田の追っ手から逃れたという。標識には次のように詠ってある。”「出世六の字穴」の伝説~戦国時代、徳川家康は武田信玄との戦いにおいて遠州・森、袋井方面へと攻めてきた武田勢に追われ、この寺のほら穴に隠れて命拾いをした。その後、家康は浜松城主となり、やがて駿府城、江戸城を築いて国を平定し、江戸幕府を開いて将軍となった。その出世の故事になぞらえ、当斎のほら穴は、いつしか「出世六の字穴」とよばれるようになったという。六の字とは、六観音(聖観音・千手・馬頭・十一面・如意輪ほか)から名づけられたと伝えられている。”
- POSTED at 2011年08月13日 (土)