浜松駅から車で約30分、浜松西インターからだと約10分、舘山寺温泉の手前に件のフラワーパークがある。園内からは浜名湖も見える風光明媚な、いわゆる観光&デートスポットである。手入れの行き届いた広大な敷地と世界各地から集められた10万本の花植物を誇る。写真の巨大な菊は、このフラワーパークでしか見られない超奇種である。名付けて「百種接分菊」。江戸時代中期の浮世絵師・歌川国芳の版画を見てその再現に挑戦したのは、このフラワーパークに勤める大城さんという園芸職人である。凄い、の一言である。江戸は染井の園芸職人が創ったものらしいが、気の遠くなるような根気と精神力を要する作業が前提となる。効率と経済性を第一義とする民間企業ではとても実現が望めない“超”絶技巧”の世界である。ピアノでいえば、フランツ・リストの世界である。12月初旬まで観賞できるとのことである。
必見である。かの有名な、日本の近代化路線の象徴のような桜の前に”“百種接分菊”が江戸は染井村の園芸職人によって開発されたのである。連綿と続く万世一系の皇室の歴史をも彷彿させてくれる、というと飛躍のし過ぎだろうか?
- POSTED at 2011年11月22日 (火)