町に、音楽家のレオポルト・モーツアルトの長男として生まれた。35年の生涯で626曲の作品を世に遺した。その生まれ故郷ザルツブルクがユネスコによる世界遺産に指定されたのは、モーツアルトの名声に負っている部分も少なくはないに違いない。その生家(Geburtshaus)は今は記念館になっている。かつて一度訪ねたことがある。向こうの家屋は石造りでとても堅固である。石の階段を昇っていった。友人のヨゼフ・ランゲが描いた寂しげな晩年のモーツアルトの肖像画(横顔、未完)が印象的だった。あの音楽は、音楽が音楽らしくあった時代の象徴のように、明るく弾んでい、そして時折その真逆の表情を見せるのである。最後のシンフォニーの最終楽章の主題が好きだ。今、頭の中で雄々しく鳴り響いている。日本の桜の風情そのものだ。
- POSTED at 2013年01月27日 (日)