NHKの大河ドラマがこのテーマを選んだのは、時あたかも昭和天皇様が開会宣言をなさった「東京オリンピック」が開催された昭和39年(1964年)であった。この大河ドラマのテーマ音楽は芥川也寸志の作曲である。モーリス・ラベルの「ボレロ」を下敷きにしているようでもあるが、浅野内匠頭長矩の辞世の句のトーン に通底するような”しんとした”調べであり、リズムの刻みがドラマの進行を彷彿とさせ、またたたみかけるような終わり方が切腹という自然死の対極にある死に方を暗示する昭和の名曲である。
”風さそう 花よりもなほ 我はまた
春の名残を いかにとかせん”
- POSTED at 2010年12月14日 (火)