月の光の源は太陽である。以前、あれはもう何年前だったろうか?伊賀に小旅行をして、松尾芭蕉記念館や上野城を見学した。その時上野城の売店で大観の天井絵の色紙を買った。まさしく満月だ。大観は月を描くことによって見えない太陽を描いた。色即是空 空即是色の世界である。東洋のこの認識空間の高みに至るまで西洋はゲーテの「ファウスト」完成まで待たねばならなかった。その第二部の最終場面でゲーテは次のように書いた。
すべての移ろいゆくものは
ただ仮初に過ぎず
成しえなかったことも
ここでは成就する。
名状しがたきものも
ここに形となる。
永遠に女性的なものが
我らを高みの彼方へと誘ってくれるのだ。
ちなみに、この部分はマーラー(1860~1911)が交響曲第八番の最終部分で音符を付けている。
- POSTED at 2019年09月15日 (日)