- POSTED at 2020年04月28日 (火)
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歴史
主権回復の日(令和2年4月28日)
昭和27年の今日4月28日、サンフランシスコ講和条約が発効し我が国は主権を回復した。沖縄が取り残されたままであったが、6年8か月の米軍占領から解放され国際社会への復帰に向けて大きく前進した記念すべき日である。正式名称は Treaty of peace with Japan 「日本国との平和条約」である。昭和26年9月8日、米国サンフランシスコ市で署名された。この日をもって連合国と日本国との間の戦争状態は終結し、「連合国は、日本国及びその領水に対する日本国民の完全な主権を承認」した。連合国の原語は、英語ではAllied Poweredである。ところで、この年の9月に開催された第37回院展に横山大観は「或る日の太平洋」という作品を出展した。富士と龍を同一画面に描くという画題は、葛飾北斎の最後の作品「富士昇龍図」がまず頭に浮かぶ。鯉が瀧を昇って龍となり、さらに龍が富士山の上方高く天に昇ってゆく、というまさに「生成発展」のテーマを可視化したものが基本である。しかし大観先生はそのような構図では描けなかった。大東亜戦争中には、爆撃機2機「大観号」を陸軍に寄贈した国士である。敗戦の結果、GHQの占領政策として憲法改定を始め、国柄を改竄されるような政策に翻弄される祖国日本の情けない姿が太平洋の荒波にもまれる龍として描かれている。この解釈を以前、落選中の城内実氏の応援を趣旨とした講演会のため来浜された故・井尻千男先生に申し上げたことがある。氏は私の説明に耳を傾けられ「感動した!」と力強くおっしゃった。氏は当時拓殖大学の教授で、4月28日を「主権回復記念日」として祝日にしようという運動を牽引されていた。そのことを今思い出した次第である。