竹久夢二は岡山の酒造を営む家に生まれ、いたずらをしてお仕置きで蔵に閉じ込められ、そこで春画を視たのが性の目覚めとなった。アラーキ―こと荒木経惟氏は、どんなそういった原体験があったのか不問にして存じ上げない。夢二以上に女性のエロスを被写体としてあくなき探求の道をストレートに歩んできた。奇しくも今日は荒木先生の誕生の日である。日頃ほとんどの善男善女が意識下に置いている情念のマグマをずばり写真という媒体で露にし喝采を浴びた。世紀末芸術の殿堂であるヴィーンのsecession(分離派)でも個展を開いた。奥様の陽子さんも、そういう荒木氏の対象への切り込み方に共感を覚えたのだろう、このお二人の新婚旅行の様子は氏の作品集となって公けにされている。
- POSTED at 2020年05月25日 (月)