- POSTED at 2020年10月23日 (金)
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美術
ちっちゃな文化展(10月23日)
この文化展は秋のこの時期に開かれ、もう20年くらい前から続いている。ちょっとさびれた感のあった横須賀街道(掛川市、旧小笠郡)ににぎわいと交流の場を創出し定着していたが、今年は武漢ウイルスのあおりを食った。掛川のお殿様も金を借りにきたという豪商の清水孝一郎氏の旧邸(通称・清水邸)だけに会場を絞った形となった。7名程の作家が街道に面した茶室や二階の小部屋、そして奥にある蔵などにそれぞれの作風を演出していた。写真は、マクラメ作家の鈴木真弓氏の最新作で、10畳の茶室を使ってのインスタレーションの一部である。①畳10畳のホリゾンタル ②床の間のバーティカル ③障子戸が開け放されて見える街道という借景などをうまくブレンドしての空間処理は説得力があった。展示された作品のほとんどが白無垢であったのに対し、床の間の作品には赤の太い巻き糸が縦に入っていて「たぎる命」を感じさせ求心力が漂っていた。今年古希を迎えた作家の円熟度が感じられる作品だ。以下、日本で唯一マクラメを商いしているというメルヘンアート社のホームページより~ マクラメとはアラビア語の「ムクラム」(格子編)に語源があり、「交差して結ぶ」という意味があります。大昔の「ひもを結ぶ」という知恵が、長い時間をかけ、沢山の経験がこの技術の上に積み重ねられてきました。猟をする人は獲物を捕まえるために、布を織る人は縁を丈夫にするために、船を操る人は帆を上げるために、みんなが必要な技術を考え出し、あるいは偶然見つけ出してきたものです。そんな「結び」の技術が商隊や船乗りによって世界中に広められ、今に至っています。日本でのマクラメの歴史も古く、正倉院御物や鎧などに残されています~