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ゲーテと二宮金次郎(令和3年4月5日)
ゲーテと二宮金次郎(令和3年4月5日)

散りつつも命の限り山桜花 亀治郎

我が家の庭の桜は、昨夜の雨でだいぶ散ってしまった。下から見上げるとそうだったが、二階から見るとまだ盛りを謳歌しているようにも見えた。また白から淡い桃色に全体の色調が変化していた。1メートル位の苗木を次男(当時中学生)と植えてから花を咲かせるまで10年近くかかった。また開花時期も他の種類の桜よりもかり遅い。山桜なのに八重桜と同じ時期に咲く。そういった節理はどういう仕組みなのか?その因果応報のからくりとは?18世紀から19世紀にかけての同時代人で東西の知の巨星、二宮金次郎(1787-1856)とゲーテ(1749-1832)のその解明のためのアプローチに思いを馳せた。
①二宮金次郎の場合~「土着の思想、土から萌出でた思想」であると歴史学者・奈良本辰也(1913-2001)は記している。要は農作業の実践から編み出した、というのであろう。鍬で土を掘り種を蒔き、鎌で作物を刈り取るという農作業の始めと終わりの間には、自然との協調と闘いがある。種が芽を出すにも、水・空気・温度という自然の一定の法則の中でという条件下である。その過程の観察から報徳仕法&思想・報徳訓が生まれたのであろう。[長州出身の奈良本氏は、私の母校 松山東高校の隣地にあった松山高等学校・現愛媛大学の卒業である!]
②ゲーテは詩人であり、自然科学者でもあった。色彩論も書いている。またフリーメーソンの高位の会員でもあった。19世紀の終わり頃ゲーテ全集が企画されたが、自然科学の分野を編集・執筆したのが若きルドルフ・シュタイナー(人智学者、1861-1925)であった。そのことによってゲーテは自然観察を通じた霊学的アプローチでこの世を総べる原理の解明を試みた、と推論される。ゲーテの自然科学論集「自然と象徴」の解説文にも『いつまでも自然を見続けることによって、自然はその本質をおのずから明かしてくれるものであると考えていた』とあり、自分の推論があまり的を外れていないことと思われる。ゲーテは60年もかけて死の前年に完成した悲劇「ファウスト」の最終幕でその悟りを開陳した。つまり般若心経の
色即是空空即是色」の域に達した。東洋に遅れること実に千数百年である。





  • POSTED at 2021年04月05日 (月)