大回顧展である。5才の時の「巌流島の闘い」から最近作まで実に80年間の各時代の代表作が一堂に会した形だ。実に壮大だ。展示点数687点。絵画作品のほかに、横尾氏のコレクションのコーナーもある。12,000枚にも及ぶ瀧のポストカードだ。床に鏡を敷かれ、曼荼羅のイメージが演出されている。世界中の瀧のサミットのようだ。圧巻そのものである。8歳の時の「瀧」から1985年のパリビエンナーレに出品された「瀧壺」、そして順路の中間部に配置された瀧のポストカードのインスタレーションへとつながる一本の線を感じた。.
聞くところによると、この会場は大問題となり愛知県知事のリコール運動tとなった「表現の不自由展」が開催された場所であるという。今回の横尾忠則展は、穢された空間のお清目の意味合いもあるのではないか。
- POSTED at 2021年04月10日 (土)