- POSTED at 2011年01月22日 (土)
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「お伊勢まいり」(1月22日)
最近伊勢神宮にお参りする人が増えているという。地方でもアーバンライフが進行し、自然との密な一体感が薄れている昨今であるが、そうした環境の変化の中で生じる疎外感を少しでも癒したいという願望がその背景ではないかと推測している。私自身はこれまで4回ほどしかお参りしていないが、人それぞれに導かれるようなかたちで伊勢を訪れるのではないだろうか?初めてお参りしたのは、'92年にパリ駐在から帰国した時、那智の滝を訪ねたときだった。途中、瀧原の宮に自然に立ち寄ったのであるが、それまでに長く身を置いていた石の文化とは対極にある世界に接し、それまでの西洋かぶれが一瞬にして溶解した。樹齢数百年の杉の林立、すぐ傍を流れる清らかなせせらぎ、背の低い木造の神明造り、玉砂利...。簡素な中に豊穣の世界があった...。いきなりの伊勢ではなく、瀧という参道が用意されていた。