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「東京大壁画」出現!(令和3年7月21日)

東京駅と皇居の間に建つ丸ビルと新丸ビルに、その外壁(高さ150メートル、横幅30メートル)に巨大なアート作品が出現した。そのお披露目セレモニーは既に今月17日に開催された模様。東京五輪を文化イベントで盛り上げようという趣旨で、小池都知事も祝辞を述べておられた。
実に壮大な構想である。「水」と「火」がテーマで、「水」は横尾忠則氏の瀧のポストカード・コレクション(13,000枚)がベースになっている。世界中の瀧が東京に集結しており、まさしくオリンピックに相応しい。「火」は長女で画家の横尾美美氏が担当。いろんな感想が浮かんでくるが、まずは親子の絆の蘇りがイメージされる。
あれから43年!(令和3年6月27日)

 43年前の今日、ドイツに赴任する直前であったが、成城の横尾忠則邸を訪問した。欧州向けのオーディオ製品用のポスターデザインを依頼するためだった。お引き受けしていただいたものの、ちょっとドキドキものだった。
フランスの銅版画家ギュスタフ・ドレの「神曲」と「聖書」からの引用を基に製品をコラージュさせた精神性の高いポスターが出来上がった。印刷は凸版印刷だった。

柳宗悦という人は、作家の創る不要不急の芸術作品に対して「用の美」という分野で対抗しようとした。会場の入り口でそんな説明文を読んで違和感を感じてしまった。聖徳太子が唱えた和の國日本、二宮尊徳が唱導した一円融合の考えを礎とする共同社会日本、そういう国柄であるのに何故そういった対立概念を打ち立てるのか?聖徳太子が三宝を敬えといったその三宝とは、仏・法・僧ではなく、神道・仏教・儒教であり、それらの融合、補完的協調を大事にせよ、と仰せられたのであり、その1200年後に現れた二宮尊徳もそれを継承している。翁の創設した「報徳思想」の構成は「神・儒・仏一粒丸」と言ったのである。
柳のような対抗的挑戦意識、対立概念は日本精神にとって異質のものである。



 
「遠州の民芸展 」at 浜松市美術館(令和3年6月24日)

今日の午前中、気になっていた「遠州の民芸展」を観に行った。拝観料1200円のところ、70才以上は半額の600円ということだった。1200円だとためらっただろう。経費がかかっているにしても、公共の施設なのだから何とかすればよいと思うのだが。いまはやりの緊縮財政の方針ゆえなのだろう。将来への投資を怠って、「今だけ」「金だけ」の発想である。若い将来世代の層は来なくなって、文化的分断につながるのでは、といらぬ心配をしたくなる。
  順路が何故か2階からとなっている。黒い布で入り口が塞がれており、まるでお化け屋敷のようである。説明文は、日本語、英語、ポルトガル語(?)の三言語。日本語という国語が相対化されている。見る前から「違和感」が湧いてきた。そもそも「民藝」は民衆芸術の略であるということに疑問が生じた。元言語はfolk artなので、本来は「民族芸術」と訳すべきであろう。昭和初期に宗教哲学者・柳宗悦によって起こされた運動であるが、大正時代に起ったロシア革命(1917年)の階級闘争の考えに染まっているのでは?と邪推された。我が国は「一君万民」「君民一体」の国柄であるのに。


画狂老人「北斎」(令和3年6月9日)

葛飾北斎 富嶽三十六景のうち「神奈川沖浪裏」

 東宝シネマ浜北で映画「HOKUSAI」を観た。最晩年の「富士越の龍」が出て来なかったのが残念であったが、絵師としての北斎の画業の営みが良く表現されていたと思う。
北斎(1760-1848)は生涯をかけて旅をした。引っ越しの回数も90回以上。古希を迎えた頃脳卒中で倒れた後も歩くことを止めなかった。あの有名な富嶽三十六景を描いたのが70才になった頃で、その後も遠く離れた(60里)信州の小布施まで歩いた。西洋の同時代人である音楽家モーツアルト(1756-1791)もその人生は旅と共にあった。しかしそれは馬車での旅だった。北斎は歩いたのである。杖をつき大地の上で足を動かしたのである。常に若々しく、そして瑞々しくあろうという神道の常若(とこわか)の考えを体現した人生であった。
写生すること、それが絵を描くことの基本である。目に見える対象を忠実に写すこと。その作業を続けることによって画家は自然界の命の営みを司る摂理を感得する。近代俳句の道を切り拓いた正岡子規(1864-1895)がそんなことを記していた。映画の中で、若い頃の北斎は歌麿から「あんたが描く女には色気がネエ」と批判される。形だけでなく描く対象の[いのち](官能性)をも写すことが作品の魅力を高めることを学んだ。そして写楽からは[心の眼]に見えたものを描くことを学んだ。図案性、デフォルメ、抽象化とでもいったらいいだろうか?



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