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大観の月(9月15日)

月の光の源は太陽である。以前、あれはもう何年前だったろうか?伊賀に小旅行をして、松尾芭蕉記念館や上野城を見学した。その時上野城の売店で大観の天井絵の色紙を買った。まさしく満月だ。大観は月を描くことによって見えない太陽を描いた。色即是空 空即是色の世界である。東洋のこの認識空間の高みに至るまで西洋はゲーテの「ファウスト」完成まで待たねばならなかった。その第二部の最終場面でゲーテは次のように書いた。
    すべての移ろいゆくものは
ただ仮初に過ぎず
成しえなかったことも
ここでは成就する。
名状しがたきものも
ここに形となる。
永遠に女性的なものが
我らを高みの彼方へと誘ってくれるのだ。

ちなみに、この部分はマーラー(1860~1911)が交響曲第八番の最終部分で音符を付けている。










肉筆模写・泰西名画展

ルノワール原画「イレーヌ・カーン・ダンベール嬢」(模写:積木節雄)

模写絵画による「泰西名画展」の初日を迎えた。会場は、フォト&ギャラリー広沢(浜松市中区広沢)である。フェルメールから印象派、そしてP.くれーまでというふれこみで、計18点を展示。ギャラリーの白壁に色鮮やかな油絵作品が良く映えている。うち3点は個人の所蔵家からお借りしたものである。時代的には17世紀から20世紀半ばまで。模写というと、日本ではどうしても低く見られてしまうが、ヨーロッパではそれなりの市場があり、かつて15年ほど前にはエルミタージュ美術館(ロシア)の模写班の作品展が東京で開かれた由。

デ・キリコ展(9月16日)

イタリア人画家ジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)の展覧会が開催されている。油絵作品に加え、デッサンや彫刻も展示されており、うち7割が日本初公開ということである。形而上絵画と謳われており、ニーチェやショーペンハウエルなどの哲学書に影響を受けている。ギリシャ生まれのイタリア人らしく、古代ギリシャの神殿や馬が数多くモチーフになっている。会場は暗く、静謐な雰囲気が醸し出されている。目にみえる世界の背後に潜む、いわば目に見えないもの(形而上)をその作品を見る者に提示しているのだろう。音楽と同様に共通のイデイオムとして評価されているのだろうが、たいていの素朴な日本人にとっては歯が立ちにくい食べ物である。明治維新以来の西洋崇拝の根性がもう旬ではない時期に来ているのである。まずは、地産地消である。

日本画の精華・栗原幸彦展(4月8日)

「霊峰富士と日本三大桜の協演」と題したた栗原幸彦展の初日を迎えた。会場の小国神社での開催は2年ぶりで、今回で3度目となる。世界文化遺産に登録された富士山をさまざまな場所から描いた富士の作品(額装)に加え、日本三大桜図ほかの屏風を合わせ、計30余点の最新作が一堂に並んだ。壮観である。富士と桜は、日本美の代表格である。日本人の心の憑り代であり、それぞれに物語があり、和歌にも数多く詠まれている。

楠田喜代子 墨アート展(11月3日)

長い参道を歩き、奥の鳥居手前に会場建物がある

本日は、旧明治節である。今年は明治天皇ご生誕160年となる。その記念すべき日に、今年白寿を迎えた楠田喜代子の墨アート展が初日を迎えた。会場は、遠江國一宮小國神社の一角である。楠田さんは高知のお生まれであるが、先祖は掛川藩家臣であった。つまり遠州ゆかりの作家である。13年前に天竜の秋野不矩美術館でその作品展を開いた時にはそういうことに思いが至らなかった。99歳のご高齢であるため記憶がかなり薄れてはいらしたが、眼力は衰えていなかった。さすがである。最初の来場者は、森町在住の小國様ご夫婦であった。

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