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今日は本暦の元旦にあたる。”初春”という表現にふさわしく、日差しにもなんとなく春めいたものが感じられ、小國神社での所用の後、境内から富士山が見えるという大日山金剛院を目指した。森町広報の表紙で紹介されていたのだった。4月に富士と桜をテーマにした日本画展(by栗原幸彦、at小國神社)を計画しており、元旦という寿ぎの日に森町から富士山を遥拝しその盛会を祈願したかったのである。三倉の集落から川根方面に山道をくねくねと約20Km走った。,途中の要所、要所で道を教えてくれる人がタイミング良く現れたのが不思議だった。金剛院は川根町との町境の山上の尾根に建っている。その境内から遠くにうっすらと霊峰富士の姿が見えたのであった。”晴れてよし 曇りてもよし 富士の山 もとの姿は かわらざりけり”(山岡鉄舟) はるか80Kmのかなたにあってもその美しく神々しいお姿を拝むことが出来る。誠にありがたいことである。立派な山門を持つこの寺は行基菩薩(西暦668年-749年)の創建といわれる。富士山が見える位置に建てられたという、”富士山信仰”の現場に遭遇したのだ、という気持ちがこみ上げてきた。
昨年11月8日に亡くなった島倉千代子さんが歌う「愛国の花」を聴いた。美空ひばりと並ぶ”日本の声”であると改めて思った。この曲は、彼女が生まれた頃に流行った歌である。”真白き富士の気高さを こころの強い楯として 皇國に尽くす女等(おみなら)は 輝く御世の山桜地に咲き匂う国の花”日本美の象徴である富士と桜が見事にここに謳われている。福田正夫の詞に後に(昭和39年)東京オリンピックの行進曲を作曲した古関裕司が曲付けをした心洗われる名曲、国民歌謡である。それを歌う島倉千代子のその歌声は、渡辺浜子や淀かほるらの声に比べるといささか艶っぽさが加わっていて、それはまた心を捕える魅力がある。心よりご冥福をお祈りいたしたい。