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今年5月から準備を進めてきた「日本と浜松を創った先人の肖像画展」(主催:全日本肖像美術協会、企画協力:インフォテイメント)の作品搬入と会場設営を実施。あいにくの雨模様であったが、作品80点を仮置き場所3箇所から移送し、設営図面に従って展示準備を進めた。旧浜北市の時に出来た文化複合施設”なゆた・浜北”の市民ギャラリーが会場で、広さ約350平方メートル、床は竹材のフローリングで、ちょうど良い展示環境である。この会場でお世話になるのは、今回で5回目である。①「模写絵画による泰西名画展」②「郷土ゆかりの技とこころ展」③「輝く静岡の先人パネル展」④「静岡の魅力フォトコンテスト展」、そして⑤今回の「肖像画展」である。こういった展覧会の折にはいつもお世話になっている書絵堂の五十嵐さんを中心に、全日本肖像美術協会会長の山田潔氏の立会いのもと、てきぱきと作業は進んだ。初日の明日はオープニングセレモニーがあるので、椅子を並べるなどその会場設営もしなければならなかった。途中4時頃に中日新聞の取材があった。夕刻6時頃に作業が終了。これまで個々に見てきたが、80点が一堂に並ぶ様は壮観であった。
横須賀街道沿いに建つ築150年の旧家、つまり安政の大地震の数年後に建てられた清水実邸がある。
近くの酒造会社の山中邸が万延元年(1860年)に建てられており、この清水実邸も同じ頃である。
創作人形作家の瀬川明子さんはここを会場にしていた。昔ながらの和の空間に瀬川さんの現代アートが融合し、新しい息吹を
吹き込んでいるようだ。そこは頭上高く吹き抜けになっていて、煤けた梁と白壁の対比が美しい。そこに第61回モダンアート展協会賞を受賞した「月光」という祈りをテーマにした兎の大作(写真)が佇立していた。浜松の照明作家・山内某氏の作品と有機的に絡み合っていて、見ていて何かを触発されるようだった。
~作家のことば~
「月光」
2011.3.11 2:46
卯の候に…….
わたしたちを取り巻く様々な困難、試練
只々…..祈るばかり
それぞれの驕りを解き放し
確かな絆を手繰り寄せ
大地を踏みしめて
天に思いをはせて
「月光」と供に
瀬川明子 人形展
会期:11月17日(木)~30日(水)
・会場:RYU GALLERY 電話:0544-91-7043
今年春に最終回を迎えた「富嶽ビエンナーレ展」に入選した大作が場を圧倒していた。
しかも品格の高さを静かに主張する作品である。マクラメは根気と体力の要るジャンルである。
基本的には平面作品で壁面を飾るものであるが、今回から彫刻のような立体作品にも
鈴木真弓さんは挑戦している。
~作家のことば~
じっとしていても動こうとしない
サラサラと流れていても見えてこない
時間が創りだす景色に惹かれて
小さな結びを続けながら表れるものを捜す
いつも物語を綴るように
「鈴木真弓マクラメ展」のお知らせ:
・会期:11月10日(木)~21日(月)
・会場:ギャラリー喫茶「湖風うみかぜ」、電話:053-489-8552
今年で13回目を迎える「~町並みと美の晴れ舞台~ちっちゃな文化展」を訪ねた。
当ホームページでも紹介
されているマクラメ作家・鈴木真弓さんと創作人形作家の瀬川冬子さんの展示を
まず見るためだった。今日は朝から曇空で、会場に着いた5時過ぎには
小雨模様だった。薄暗くなってほのかに灯る明かりが濡れた路面を照らす様はとても風情があった。夜の横須賀街道は初めて
だった。ここは掛川から南へ車で約30分、遠州灘が程近く、かつての横須賀城のあった城下町である。そして、さらに古い歴史を紐解くと、
聖武天皇がお生まれになったことを機に創られた三熊野神社が鎮座している町でもある。
街道は長さ500メートル位であろうか。昔ながらの民家が肩を寄せ合うように
街道沿いに並んでいる。この文化展はこの町並みを見てもらうことが最初の趣旨だったという。。
仕掛け人は、大須賀町の役場に勤めていた深谷孝氏である。
県の文化財団主催の「静岡の魅力フォトコンテスト」の審査委員長を務める
写真家の大竹省二氏はこの町の出である。余談になるが、歌手の金沢明子さんをモデルにした
写真集「さすらい花」の一部撮影がこの町の老舗割烹旅籠「八百甚」でおこなわれた。13年前の第一回目のときは、
この「八百甚」の二階に昇る階段脇にその写真集が飾ってあり、ノスタルジックで艶かしい作品が印象的だった。そして、目目指す マクラメ作家・鈴木真弓さんの展示はその「八百甚」の真向かいであった。