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パウル・クレー展(5月22日)

スイスのベルン郊外に立つパウル・クレーセンター

スイスの画家パウル・クレー(1879-1940)の展覧会「パウル・クレー おわらないアトリエ」が京都での会期を終え、今月31日より東京国立近代美術館で開かれるという。生涯で約9600点もの作品を生み出したが、それらは作家自身によって克明に記録され、目録として残っているという。今回の展覧会は、その制作のプロセスがわかるように展示されている。会期は7月31日まで。クレーの作品は、深海にもぐった時に遭遇するという、あるいはいくつもいくつも山を越えてたどり着いた神域で出会うような、そんな日常を超えた視点で初めて”観えてくる”ビジョンのような、そんな印象を持っている。ナチスがそんなクレーの作品を”退廃芸術”(Entartette Kunst"として取り扱い、犯罪人のように市中を引き回し、あげくの果ては500点ほど略奪したという。それは単にクレーがユダヤ人であったからだ。向こうの地の土着の人間は、”さまよい人”(Wanderer)をいぶかしみ、あるいは嫌悪するのだろう。惻隠の情などないのだろう。3年前にベルンのPaul klee Museumを尋ねたとき一番
惹きつけられたのは「青い花」(Blaue Blume)であった。
田植えの季節(5月21日)

田植えが始まった。昔は、近所どうしが順番に手伝いあって苗を植えたが(手植え)、最近は田植え機械を使って一人でやっている。誠に淋しいというか、つい笑ってしまう光景である。苗代である程度成長し大きくなった苗を抜き、束ねる。その作業をしながら、ベートーヴェンの「田園」の終楽章のメロデイーを口ずさんだりした。秋の刈入れまでいろんな作業が待ち構えている。それらをひとつひとつこなしてやっと実りの秋を迎えることが出来る。水があり、空気があり、適度な気温があるという自然(カミ)の恵みへの感謝が新嘗祭であろうか。秋祭りは、収穫に向けて皆で助け合ったからこそ盛り上がりがある。
「球心いまだ掴めず」(5月20日②)

スポーツとしての野球を野球道までに高めた元駒沢大学野球部監督・太田誠氏の自伝である。先月12日に浜松市南区のある食堂でバッタリとお目にかかった。自分のことを覚えていて下さっていて光栄に思った。その頃小国神社(静岡県森町)で開催中の日本画家・鳥居禮展で作品をお求めになった方を訪ねる前に1時間ほど余裕があったのでその食堂に入ったのだった。ご縁というものは不思議なものだ。2年振りだったろうか?ご馳走になった天ぷら定食は、見ると目が丸くなるほどきれいな光を放っていた。新鮮な素材、きれいな油、そして心のこもった調理、さらに恐れ多くもおもてなしいただいたこと、それらが一体となって光となるのだろう。8年前に鳥居先生のお宅でも天ぷらをご馳走になったが、あの時と同じような静かな感動だった。料理も日本美なのだ。自宅に戻って、和室の机に置いてあった太田先生の著書「球心いまだ掴めず」を読み始めた。ぐいぐいと引っ張り込むような文章の妙に魅せられ一気に読み進んだ。以下、目を見張った部分である。
 ・心の中を無にして集中しなければいけない。「空」の状態にして初めて本当のスイングは出来るのである。
 ・(練習の)量が質になる。
 ・バッテイングの基本は、いかにボールを近くまで見ることができるか、にある。.....長くバッテイング練習をやっていけば、
  必ず心と技術が統一されるときがくる。
 ・バッテイングは、線と線で点を打つ。線のイメージで打つ。
 ・ボールを受ける肉体は受身であるが、心は攻撃する。
 ・守りによって敵を攻撃することを考えた。「攻撃的守備」

太田監督は、35年の監督生活において、501勝335敗の成績だった。これは、まさに「3 対 2の法則」に合致している。
古事記の「黄泉の国」の章:自分の醜く変わり果てた姿を見られたことに怒ったイザナミノミコトがかつての夫の国の民を一日に1000人殺す、といったのに対して、イザナギノミコトは、では私は一日に1500人生まれるようにしましょう、と応えたという。1500対1000=3  対 2である。太田監督の
着地 501 勝 対 335敗 もまた、3 対2である。この数字の符合は美しい”現象”である。日本美であるともいえるのだ。この数字のプロポーションによって世の中は美しくポジテイブに生成発展するのだ。ちなみに今日は太田監督のお誕生日だ。私の長男もまたきょうが誕生日なので、この著書に監督のサインをいただいて東京に住む長男への誕生日プレゼントにしようと思い立った次第である。この本は、日刊スポーツ社刊、1,575円(税込)である。是非ご一読をお勧めしたい。
  
闘う日本(5月20日)

産経新聞社刊の「闘う日本」(1300円)

東日本大震災被災地を撮った記録写真集が新聞社各社から相次いで出版され、本屋の店頭に横積みで販売されている。しかし、3月16日の今上陛下のお言葉や、両陛下による被災地行啓行のことにページを割いているのは、唯一社 産経新聞社のみである。何故だろう?「君民一体」が日本の国柄であるのに、君(天皇陛下)と国民とを切り離しているのだ。同じいたわりの言葉でも、天皇陛下が発せられると皆感極まって泣いてしまうという。誠に国民にとって有り難いご存在なのだ。今政府が機能していないと言われているが、そうであっても何とかギリギリのところで持ちこたえれれていられるのは、まさに今、
天皇陛下と国民が直結しているからなのではないだろうか?
フェルメール《地理学者》(5月19日②)

渋谷・東急文化村ミュージアムで「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」を開催中だった。入場料1500円であったが、木曜日だというのに会場は”イモ洗い状態”だった。入り口近くにハッとする作品があったが、それはレンブラントの《サウル王の前で竪琴を弾くダヴィデ》だった。フランクフルトのシュテーデル美術館から借りてきたという多数のオランダ風景画や肖像画、静物画が展示されていたが、さして興味も惹かれなかった。目指すフェルメールの《地理学者》の前は
柵の結界が設けられていて人だかり状態であった。8号位の小品で、照明の反射がないように工夫されていた。大航海時代の資料として、この作品に描かれている地球儀や部屋の壁紙、そして地理学者が纏っている衣服などについてビデオで解説を加えていた。以前フランクフルトの上記美術館で見たはずであるが、そのときのことは記憶にない。レンブラントと同様、
光の効果をうまく使っていて画面に求心力がある。デルフトの青を思わせる衣服が画面の中央にあるのも効果的だ。東急文化村の建物は静岡グランシップと同様、”船”がコンセプトとなっており、大航海時代に制作されたフェルメールの作品を展示するのにはふさわしい場所である。今月22日で会期が終了する。
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